一級建築士事務所 田建築研究所 ATELIER"DEN"

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バリアフリーについてどのように考えていますか?

2015.7.14

個々にあわせたバリアフリーも必要

一般に"バリアフリー"というと、老若男女、健常者や障害をお持ちの方、分け隔てない状態を目指したものであることは、常識になりつつあります。これを建物に当てはめると「段差がない」とか「手すりがついている」といったように、その機能的側面に力点が置かれることが多いと思います。
不特定多数の利用者を対象とした建物ではこれら機能を「あらかじめ充足」させることは法令上でも基本となり、当然であると思います。しかし、住宅等における特定の利用者の場合はどうでしょう? われわれは現時点で、特に必要ではない限り「あらかじめ充足」ではなく、「できるようにしておく」程度に考えておいたほうがよいのかな、と考えています。
いたれりつくせりの機能ゆえに、人間の抵抗力(自立した生活力のようなもの)が衰えていくのではないか、と危惧してしまいます。
元気なのに、まだ若いのに、「老い」を想定し、"バリアフリー"を優先した計画とするのは、もったいないような気がしませんか?
身体状況の変化は人それぞれにやってきます。画一的に統一されたバリアフリー機能よりも、個人に合わせた"バリアフリー"が、これからは必要なのではないでしょうか。