セキュリティ・プライバシーはどのように考えていますか?
2015.7.14
何を守りますか?どこまで開きますか?
日本の町並みは道路とそれに沿った塀が形作っているところが多いのが現状です。役所が塀の作り方や生垣、緑化を促進させる施策をとっている地域もあるのですが、道路(公的空間)と自分たちの土地(私的空間)の間ははっきりとした線引きがなされています。これは道路側だけでなくお隣との間もそうですね。
自分たちの土地、自分たちの生活を守る方法は「自分たちで守る」という意識の強さの現われではないかと思います。(所有意識の誇示との見方もありますが、物理的な障壁はなんらかの防御の姿勢と見たほうが、より自然かな、と思います。)
この「自分たちで守る」ということが"セキュリティ・プライバシー"を考える上でポイントになってくると考えています。自分たちの何を(どこまでを、といってもいいかもしれません。財産、みられたくない生活の側面等)守るのか、自分たちだけで守れるのは何か、をよく考えてみると塀の作り方、有無について考えがおよぶようになります。なぜなら、自分たち以外(地域の目等)で守ってもらえることも結構あるからです。
また、自分たちの土地の中では、自分の場所という考え方がでてきます。住宅でいいますと、自分の部屋とか個室とでもいうべきでしょうか。これも自分たち(住宅の場合、家族)の中で自分の守るものは何か(私物、個人の秘密等)、あるいは自分を守るものがあるのかを考えてみるとよいでしょう。
つまるところ、"セキュリティ・プライバシー"は領域の捉え方で変化するものといえるかもしれません。
近年では自分たち(住宅の場合家族)という集団の領域とそれ以外との関係だけではなく、ダイレクトに自分という個人の領域とそれ以外の関係のみで成り立っている建物も増えてきています。
われわれが、この領域を決めることはできません。しかし、領域分けの種類、方法、それによって起こりうることのアドバイスをさせていただくようにしています。