都心の閑静な住宅街において、街に対して「開きつつ
閉じる」「つながりつつ距離を置く」という住まい方
を考えたアトリエ併設住宅です。
ここでは周辺の大きな区画の住環境と同じ作法で連続
させるには敷地が手狭であったため、居住エリアを確
保しつつ街のパブリックな空気感を連続させることの
できるコートハウスを目指しました。
そこで街のパブリックな環境と呼応できるように建物
の通りレベル付近にパブリックな性格のアトリエを配
置し、コンクリートの壁柱群により奥行を持たせつつ
開放的な表情をつくりました。
通りからは直接建物の中央にある中庭にアクセスでき
るルートを確保し、街とつながるパブリックな空気を
建物の中央に誘いながら階段やテラスを立体路地のよ
うに設け、その空気を緑化された建物の屋上にまで引
き込みました。
この通りを引き込んだ中庭を囲むようにプライベート
な居住エリアが巻きついています。
巻き付いた居住エリアは通りに対しては焼杉およびそ
れと同じピッチのガラスの寡黙な表情としてパブリッ
クな下部から浮かびあがります。
パブリックな通りとつながる中庭とプライベートな居
住エリアは様々な開口部と内外の階段やテラスにより
3次元でからみあうことで、これまでの都市型の閉鎖
的なコートハウスとは異なる様々な生活シーンを紡い
でいます。